SNSの普及などにより著名人ばかりでなく一般のユーザーの間でも自身の日常生活を発信したり、ほかのユーザーとコミュニケーションを取ったりするライブ配信は一般的になりました。
初心者ライバーや、これからライブ配信を始めようと思っている人に向けて、基本のやり方や揃えておくとよい機材について説明します。ぜひご覧ください。
目次
ライブ配信のやり方
ライブ配信を始めるのに必要なのは通信環境とスマホ、あるいはカメラやマイク機能を持つパソコンです。つまり普段使いしているスマホさえあれば、誰でもライブ配信を始められる環境が整備されているといえます。
そこで重要になるのは、プラットフォーム(配信サービス)選びと配信クオリティへのこだわりです。
プラットフォームの選び方
まずは活動するプラットフォームを選びましょう。
多くのユーザー数を持つ動画プラットフォームであるYouTubeをはじめとして、ライブ配信ができるサービスは様々あり、それぞれ運営方針や操作方法が異なります。ざっと挙げただけでもこれだけの違いがあるので始める前に確認するようにしましょう。
- ユーザー(使用者)数
- ユーザー層
- 収益化の条件
- 配信動画のクオリティ(映像・音声)
- 対応デバイス(スマホアプリのみなのか、PCからも配信できるのか)
- ファングッズなどの販売しやすさ
ライバーとしては、出来るだけ多くの人にハイクオリティな映像を見てもらい、なおかつ収益をあげやすいプラットフォームが理想ではないでしょうか。それを実現させるには、自分のコンテンツのファンになってくれそうな人が多くいるプラットフォームを選びましょう。
例えば1990年代など古いアニメや漫画の雑談をするのなら、年齢層が比較的高くオタクユーザーも多いニコニコ動画のニコニコ生放送、アイドル活動をするのならアイドル好きの人が集まっていて、投げ銭システムも整っているSHOWROOMといった具合です。
YouTubeの場合、チャンネル登録者1,000人、総再生4,000時間を突破して、収益化審査をパスしなければ広告やスーパーチャット(投げ銭)やメンバーシップ機能(サブスクリプション)が使えません。
そのため全体ユーザーが少なくても、ターゲット層に近いユーザーが集まっていてすぐに収益化できるプラットフォームで始めたほうが、モチベーションが維持しやすいという利点もあります。収益を目的にライブ配信を始めるのなら、活動を継続できる環境を選びましょう。
映像や音声へのこだわり
ライブ配信の際、映像や音声にこだわった配信をするのなら様々な機材が必要です。スマホだけで配信する場合、ライトやレフ板で照明を工夫してもスマホ本体のカメラやマイクの性能が映像の品質の限界になります。
そこでより映りをよくしたい、音声をクリアにしたいとこだわる場合、拡張性に優れたパソコンに様々な機材を接続して配信を行う必要があります。
ストレスなく快適に視聴できる映像にはファンがつきやすいものです。ライブ配信に限らず、動画コンテンツを扱うのなら画質や音響には気を配った方がいいかもしれません。
初心者ライバー向け機材とその理由
これからライブ配信を始めるなら、まずは下記の機材から揃えるとよいでしょう。
照明機器
最初に用意しておきたいのは照明機器です。スマホから配信する場合だけでなくパソコンから配信する場合もライティング調整は欠かせません。
配信ポジションを決めたら実際に動画撮影をして光のあたり具合をチェックします。そして暗かったり、影が出来ていたり、白っぽかったりしたらライトを当てて調整しましょう。
スマホに取り付けて使うリングライトやスポットライトなど、様々な種類がありますが、どれが合っているかは配信環境と深く関係しています。これさえあれば大丈夫といった万能ライトはありません。どこでどのように撮影するのかによって、必要なライトが異なるので注意してください。
ウェブカメラ
スマホではなくパソコンからライブ配信する場合、できれば外付けのウェブカメラを用意しましょう。ノートパソコンなどに搭載されているカメラはウェブ会議には十分かもしれませんが、ライブ配信をするにはやや頼りないスペックのものがほとんどです。
カメラによって実際の映像に違いがありますが、フルHD対応(1920×1080ピクセル)のウェブカメラを選べば、かなりクリアな映像が配信できます。
本格的にライバーとして収益化していきたい人向けの機材とその理由
ライバーとして活動を続けていくと、クオリティアップのため下記のような機材の必要性が高まるでしょう。
コンデンサーマイクとオーディオインターフェイス
ライブ配信は映像だけでなくライバーの声質も重要です。トークスキルを鍛えつつ、マイクにもこだわりましょう。
マイク端子に差し込んだり、USB接続で使ったりするマイクが一般的ですが、高品質マイクを追求していくと、最終的にはコンデンサーマイクとオーディオインターフェイスにたどり着く人が多いのではないでしょうか。
コンデンサーマイクは広い周波数を集音できる感度の高いマイク、オーディオインターフェイスはパソコンとマイクをつないで、音の解像度を高く保ったりエフェクトをかけたり出来る機器です。
これらを組み合わせることでクリアな音声でライブ配信することができ、オーディオインターフェイス側でリアルタイムにエフェクトをかけたり効果音を追加したり(ポン出し)することも出来ます。
ライブ配信中、「ピンポーン!」「ガーン!」といった効果音をボタン一つで差し込めるとエンターテイメント性が高まり、バラエティ番組のように仕上げられるでしょう。
ライバーとして収益化を目指すなら、方向性を定める上で選択肢のひとつとして覚えておいてもよいのではないでしょうか。
キャプチャーボード
トークだけのライブ配信ではなく、ゲーム実況をするならキャプチャーボードも欠かせません。モニターに映しだしたゲーム映像や音声をリアルタイムにプラットフォームに反映させ、なおかつそこに演者(ライバー)のトークやリアクションを重ねるのに使います。
AVerMedia(アバーメディア・テクノロジーズ)やMirabox(ミラボックス)などさまざまなメーカーがリリースしているので、使い勝手に合わせて選んでください。
FaceRig(フェイスリグ)
世界的にユーザー数を抱えるPCゲームプラットフォーム、Steamで購入できるFaceRigはウェブカメラに映った自分の顔をアニメキャラなどに置き換えることができるツールです。(2021年12月31日をもってサポート終了予定。次世代版「Animaze by FaceRig」も発表されている)
個人がVTuberとして活動する場合、低コストで始められます。既存のアバターだけでなくオリジナルのものを使うことも出来るので、FaceRigアバターを作成する外注業者も存在するくらいです。
スマホアプリなどの中には、最初からアバターを用意してくれていて、すぐに活動を始められるサービスもありますが、オリジナル性を追求するのであれば、こちらを利用するのがおすすめです。
ジャンル別こだわるべきポイント
ライブ配信には無数のジャンルがありますが、それぞれライバーがこだわるべきポイントが違います。
雑談系トーク
雑談系トークライブであれば視聴者とのコミュニケーションが重視されるので、映像のクオリティは低くても人柄やルックスに魅力があればファンがつくものです。むしろスマホ一台で配信したほうが、生活感が感じられて親近感を醸成することもあるでしょう。
インフルエンサー系トーク
逆にビジネスや政治系YouTuberなどインフルエンサーを目指してトークライブする場合、配信環境が貧弱だと演者の主張そのものまで頼りなく感じられてしまいかねないので、視聴ストレスをかけない環境は最低限構築すべきといえます。
歌唱ライブや企業コンテンツ
また歌唱ライブやVTuberコンテンツ、企業の公式配信には可能な限り最高の映像・音声環境が求められます。配信されている内容そのものの品質がそれらに大きく依存しますし、企業が発信するという事はコンテンツのクオリティが企業のクオリティだと思われかねないからです。
ゲーム実況
ゲーム実況系の場合、最初にキャプチャーボードとマイクに投資しましょう。メインはプレイ画面なのでカメラなどは優先順位が下がります。
またパソコンゲームを配信する場合、CPUやグラフィックボードのスペックが足りずに処理落ちなどしないよう配信環境のメインとしてゲーミングPCを用意してください。
ジャンルに応じて適切な配信環境はあるものです。高品質な配信を行うために一気に機材を揃えたいところですが、実際にライバー活動をしながら優先順位を決め、少しずつ整備していきましょう。
まとめ
以上、ライブ配信のやり方、必要な機材を紹介しました。スマホ一台で始められるのがライブ配信の良いところですが、活動を続けるには視聴者のニーズをとらえた適切なコンテンツを作っていくことが重要です。
ライバルとの差別化のため配信環境を整えてみてはいかがでしょうか。