「自分の得意なことや好きなことでお金が稼げたらいいな…」と思ったことは誰しもあるのではないでしょうか。副業として行う仕事であれば特に、やりたいことを仕事にすることに憧れる人は少なくありません。
趣味を仕事にするという観点から考えると、「イラストが描ける」という技能はマネタイズしやすいものだと言えるでしょう。なぜならイラストを描くということは誰にでもできることではない上に、インターネットの内外を問わず需要が高いものだからです。
「イラストを仕事にする」というと非常にハードルが高いことのように思われていますが、実はイラストで稼ぐ手段はたくさんあります。その中でも今回は、「Web上の画像データとしてのイラスト」で稼ぐ方法について紹介します。
目次
イラストで稼げる金額は案件によって幅が大きい
イラストを描くことで稼げる報酬は、仕事の内容やマネタイズの手段、またイラストを描く本人の知名度などによって大きく変動します。たとえ同じ案件であっても、人気のイラストレーターに依頼するのと、駆け出しのイラストレーターに依頼するのとでは、後者の報酬が安くなるのが一般的です。
副業としてイラストの仕事を請け負う場合、クライアントとイラストレーター個人が直接やり取りをして案件を受注するか、Webサイトなどを通じて案件を受注したりイラストを購入してもらったりという2パターンに大きく分かれます。
たとえば、イラストを描くだけでは報酬が発生せず、その後ユーザーにダウンロードされてはじめて報酬がもらえる「素材ダウンロードサイト」を利用するなら、ダウンロード1回につき数円。依頼主から直接リクエストを受けてイラストを描く場合は、案件規模と個人の単価設定によって数千円〜数十万円まで、大きな幅があります。
稼ぐ手段をひとつに絞る必要はありませんので、自分が希望する報酬額や案件の内容のバランスをとりながら、自由にイラストレーターとしての活動を行っていけばよいでしょう。
イラストで稼ぐ方法
イラストを描いてお金を稼ぐためには、基本的になんらかの営業活動を行う必要があります。ポートフォリオを作って企業に自分を売り込むような「飛び込み営業」だけでなく、自身のWebサイトを作って作品事例やプロフィールを掲載したり、SNSやブログなどでファンを集めたりといった行為も「営業」の一環です。
「良いイラストを描いていれば自然とクライアントが現れる」というのは理想的ではありますが、現実にはそのようなことはなかなか起こりません。偶然、仕事を依頼したいクライアントの目に留まることを期待するよりは、自分から露出度を上げて世の中に認知される存在になる方が、稼げるようになるまでのスピードは早まるでしょう。
そのためには副業であれ専業であれ、まずは「イラストレーターとしての自分」というプロフィールを確立することが重要です。それと並行し、以下に紹介するような方法で仕事を見つけていくのがオススメです。
クライアントから直接受注
イラストの制作案件を企業などのクライアントから直接受注する方法です。制作単価は比較的まとまった額になりやすく、場合によっては継続的に同じクライアントから案件を受注し続けられる場合もあるためイラストレーターとしては憧れの案件です。
しかし既にある程度の実績があるイラストレーターでなければ採用されにくい点や、企業側との打ち合わせを経て制作内容を調整しなければならない点など、ハードルは高めと言えるでしょう。いずれイラストレーターを本業にしたいという方は、実績になりやすいため積極的に案件を探してもよいかもしれません。
イラスト素材サイトに登録
PixtaやイラストAC、Adobe stockといった画像素材をダウンロードできるサイトに自分が制作したイラストを登録し、ダウンロードされるのを待つ方法です。その他の方法と異なり、1枚のイラストが何度でも報酬を発生させてくれるため、長期的に見れば収入のベースとなりやすい手段です。
ただしどのサイトも膨大な数のイラストが登録されているため、ユーザーに自分が登録した素材を発見してもらうことが難しく、すぐには報酬につながらないという特徴があります。この手段で確実に稼ぐなら、どのようなイラストが人気なのかを研究したり、SNSなどでアピールしたりといったサイト外での努力は避けられないでしょう。
イラスト講座を販売
自分で描いたイラストを販売するのではなく、イラストの技術を身につけたい人向けの講座コンテンツを販売する方法です。ココナラなどのサイトを通じてユーザーを集める方法や、自身のSNSを通じて生徒を募る方法などが考えられます。
講座が気に入ってもらえればリピーターを獲得できる可能性もありますが、講師が人気のイラストレーターであったり、よほどユニークな内容であったりという付加価値が無い限り、爆発的に稼げるということもないでしょう。
クラウドソーシングサイトに登録
ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサイトにクリエイターとして登録し、自分に合った案件を探していく方法です。クラウドソーシングを利用するメリットは、なんと言っても案件数の豊富さ。個人で営業をかけていくのとは桁違いの案件が紹介されているため、自分の希望に近い仕事を探しやすいプラットフォームです。
ただし多くの案件でコンペ制が敷かれており、1案件を受注するまでに多くのクリエイターと競い合う必要があります。その分、企画提案力も鍛えられると考えればメリットとも言えますが、そういった作業が面倒で気が乗らないという方には向いていないかもしれません。
イラスト公募にチャレンジ
一般に開催されているイラストやデザインなどの公募賞に作品を送る方法です。たくさんの作品の中から選ばれた作品だけが賞金を手にできるため、「稼ぐ」という観点からするとかなり不確実な方法だと言えるでしょう。
しかし受賞できれば比較的大きな金額が手に入るだけでなく、「あの●●賞を受賞したイラストレーター」という実績となり、その後の営業活動に大きなプラスとなるでしょう。ただし賞によっては〆切から受賞者の発表までに数カ月~1年単位の時間がかかるため、コンスタントな収入源扱いすることは難しそうです。
オリジナルイラストグッズ販売
自分で描いたイラストを使ったグッズを販売することで収益を得る方法です。アパレルや食器、文房具などの実用品から、缶バッジ、キーホルダー、アクリルスタンドといったファングッズまで、多種多様なグッズを制作可能です。
BoothやSUZURIといったグッズ制作・販売代行サイトを使ったり、グッズ制作サービスで作った物をPay ID(旧 BASE)などを使って自分で販売したりと、販路も様々なパターンが考えられます。
「グッズのためにイラストを描き下ろす」という考えだと非常に利益率が低く、稼ぎにくい手段ではありますが、どこかで利用したイラストを「ファンアイテムとしてグッズに流用する」という方法であれば効率的な場合もあるかもしれません。
skebなどコミッションサイトを利用
skeb(スケブ)などのコミッションサイトを利用して、ユーザーから直接リクエストを受けてイラストを描き、報酬をもらう方法です。ユーザーとイラストレーターが個人的にやり取りをすることで発生するおそれのある契約、コミュニケーション上の問題が起こりにくい仕組みが作られている点がメリットのひとつです。
ユーザーが個人的に描いてほしいキャラクターやシチュエーションを指定するため、「自分が描きたいものを描く」という形態ではありません。現在よく利用されているコミッションサイトで人気のクリエイターの傾向を見ると、特にマンガ、アニメ系統のイラストが好まれているようです。
イラストで稼ぐのは難しいことではない
イラストを描いてお金をもらうための一番のハードルは、「イラスト技能を身につける」ことかもしれません。以前から好きで描いていた方が副業として始めるのであれば、手段さえ知れば、稼ぐことは難しい課題ではありません。
ただし、稼げる金額を大きくしていきたい、専業イラストレーターとして独立したいといった希望を叶えるには、より戦略的に自身の活動を広げていく必要があります。
単なる作業者ではなくいちイラストレーターとして世間に認知されるようSNSやWebサイトを通じて自分自身をブランディングすること、イラストの技術そのものを磨いていくこと、アニメーションや3Dなど付加価値となるスキルを身につけることなど、武器を増やすことで稼げるクリエイターとして成長していけるはずです。