イラストを描くのが得意とはいえ、職業にするにはやや気が引ける人たちは古今東西多くいらっしゃると思われます。しかし、その方々にまったく野心がないわけでもないでしょう。本業でなくとも可能であればお小遣い程度の収入は得たいと考えることは、決して無謀ではありません。方法や手順さえ知れば、すんなりと実現できる夢です。 本記事ではいわゆる素人からお小遣い程度なら稼げるイラストレーターになるために必要なことを紹介します。該当する読者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
イラストレーターの仕事について
そもそもイラストレーターとはどのような仕事なのでしょうか。
以下、内容や必要な資格について説明します。
イラストレーターの仕事内容
イラストレーターの仕事とは、端的に述べると、クライアントの要望に合うイラストを描くことです。担当する媒体や描く対象は多種多様。ポスターやチラシといった広告類、本や雑誌の挿絵などが挙げられます。
イラストレーターに必要な資格
素人の立場だとどうしても「資格が必要なのではないか」と心配されることがあるかもしれません。実際、そうした方々は多く見受けられます。が、基本的にイラストレーターになるための条件や資格はありません。といっても関連資格はいくつも用意されています。たとえば、色彩検定やクリエイター検定などがその類でしょう。これらの資格がなくてもイラストレーターの仕事を始めることは可能です。けれども、せっかくならチャレンジしてみることをおすすめします。資格はクライアントの信頼を得やすくなるからです。企業の一員として業務委託で関わる場合は尚更だと考えます。
いずれにせよ、取得するに越したことはないと認識しておくといいでしょう。
イラストレーターになるために欠かせない準備
前述の通り、イラストレーターになるには特に資格が必要なわけではありません。しかし、お小遣い程度でも稼ぎを得たいならそれなりの下準備は大事です。
以下、具体的にお伝えします。
デジタル機器、ソフトの用意
インターネットが普及している現代では、入稿はじめイラストの仕事も全体的にデジタル化しています。もちろん、用紙の受け渡しでやり取りする現場もなくなったわけではありませんが、圧倒的にデジタルが主流だと考えて色々と用意する必要があるでしょう。
具体的にはパソコン、タブレット、スマホなどに加え、イラスト向けのデザインソフトも準備しておきましょう。ソフトに関しては無料製品もあるとはいえなるべく有料のものがおすすめです。定番の「Illustrator」や「Photoshop」で十分だと考えます。
なお、この時点で採算が取れなくなる不安を抱えるならば、副業にイラストレーターを選択すること自体おすすめしません。
準備の段階でまったくお金を掛けずに済まそうとすると、大抵うまくいかないものと思ってください。実際、お小遣い程度すら稼げないまま頓挫する方がほとんどです。
依頼を受けるための窓口・連絡先
イラストレーターとして仕事をするためには、依頼や問い合わせの窓口を持つことが必要です。当たり前のように思えますが、意外と疎かにしている人も少なくありません。しっかり注力しましょう。専用のメールアドレスを用意することや個人サイト、SNSなども連絡口に活用できます。
そうこう管理のしやすさを踏まえたうえで、あらゆる経路から受注できるフローを形成することが大事です。したがって、仕事をもらいやすくするための工夫を凝らすこともまた、準備段階で不可欠な要素だといえます。
イラストレーターとして仕事を得る方法
たとえ準備が整ったとしても、やはり何かしらのアクションを起こさなければイラストレーターとして仕事を得ることは難しいでしょう。
以下、ぜひ試してほしい方法です。
SNSで仕事を募集する
いうまでもなく、仕事を得るにはイラスト作成を依頼してくれる人に出会わなければなりません。もちろん、いたるところにアプローチし、ひたすら探しまくることも有効だと思います。ただ、できれば依頼側を誘導できる形が労力をそこまで使わずに済むため望ましいです。そこで鍵を握るのは、SNSでの情報発信でしょう。TwitterやInstagramで自身の作品を載せたうえで仕事募集をかけると、手っ取り早く商売につながるかもしれません。ただし、この場合金銭のやり取りは仲介媒体がないため自身で管理しなければなりません。トラブルを起こさないよう細心の注意を払いましょう。
クラウドソーシングを活用する
クラウドワークスやランサーズ、ココナラといったクラウドソーシングのサービス活用も比較的簡単に仕事を得られる手段です。金銭のやり取りは自身で管理せずに済むため、そうトラブルは起きにくいでしょう。得られる額については経験が浅いうちは割に合わないと感じることも多いかもしれません。お小遣い程度で満足できるといっても、自身の価値が必要以上に低く見積もられるあるいは足元を見られてしまうのも考えものです。できる限り納得のいく金額で受けることをおすすめします。
イラスト特化の販売サイトに登録する
イラストレーターの活動に不安が多く自信が無い方には、イラスト特化の販売サイトに登録することをおすすめします。
収入を得る仕組みはシンプルです。イラストを見て気に入った人が購入・ダウンロードした場合に、報酬が発生します。依頼されてイラストを描くスタイルではないため、過剰にプレッシャーを感じることも無ければ、腕試しの意味でも丁度いい機会になるでしょう。
代表的なサイトには「イラストAC」「PIXTA」などがあります。これらは多くの人がアクセスしているため、うまくいけばファンを獲得するまでに人気のイラストレーターになれる期待も持てます。
なお、発生する報酬額はサイトによって異なるため、利用する際はサービスの内容をよく確認するようにしましょう。
売れるイラストを描くポイント
いざ始動してみたものの、自身のイラストが箸にも棒にも掛からないといった話は星の数ほど見聞きします。
なぜ、そうなってしまうのか。それは、作品に売れるポイントが含まれていないという至ってシンプルな理由がほとんどです。イラストには、売れるための共通点やコツがいくつかあります。
というわけで、以下のポイントを参照しつつ、売れるきっかけにつなげてもらえると幸いです。
個性に固執しない
個性的なイラストは印象に残りやすい一方で、なかなか好まれない傾向にあります。お小遣いを稼ぐことを第一の目的とするのであれば、できる限り普遍性を大切にした方がいいでしょう。
依頼に応じてイラストのタッチを工夫する
イラストを使用する紙面やWebページで複数の作品を組み合わせる場合、イラストのタッチは揃えた方が使い勝手が良くなります。たとえば、社内報や町内会報、会社概要などに使うケースです。一方で統一感ではなく違和感が効果的に作用することもあります。前者に有効なのは公的な資料やパンフレットで後者はビジュアル訴求に力を入れたアート寄りの媒体です。依頼に応じてうまく使い分けるようにしましょう。
トレンドウォッチャーになる
一時的とはいえ、ハマれば大きな収益につながりやすい手法が最先端のトレンドを取り入れることです。流行りのスイーツやニュースなどをイラストにうまく盛り込んでみるのも同様に目を引きやすい傾向にあります。当然、周りも同じアプローチだと差別化を図ることが難しくなりますが、トレンドウォッチャーとして各方面目配りしながらスピード勝負に持ち込めば、うまくいくことは十分に期待できるはずです。さらには時事専門のイラストレーターとしてブランド認知されれば、継続的に収入が得られるサイクルをも生み出せるでしょう。
明日から早速イラストレーターになってみよう!
「イラストを描くことが好き、でも仕事にはできない」
本当はイラストレーターの仕事に憧れているにもかかわらず、良くも悪くもこうした現実的な思考に囚われたせいで本来持っているスキルを生かせないまま鬱屈としている方、意外と多いように見受けられます。
今の時代、お小遣い稼ぎ程度であればたとえ素人でもなりたい自分の肩書で活動することは容易になっています。とりわけイラストレーターの場合、拙稿でお伝えした通りSNSやクラウドソーシングで仕事を募集したり、販売サイトに登録したりすることで報酬を得ることが十分に可能です。
描くことが好きなら、得意なら、尚更始めやすいと考えます。
いうなれば、明日からでもイラストレーターになれるわけです。どうせなら、楽しみながらチャレンジしてみてはいかがでしょう。