副業・兼業で漫画家になれるって本当?デビューする方法や収入について解説

「まったく異なる仕事をしているものの、いつかは漫画家としてデビューしたい」

漫画が好きな人の中には、そんな想いを胸に秘めている人もいるのではないでしょうか。しかし、漫画家はデビューを志す人も多く、デビューしてからも成功できるのは一握り。仕事を辞めて漫画一本で活動するのは大変な覚悟とリスクを背負う必要があるため、なかなか1歩を踏み出せないという人もいるでしょう。

そんな人におすすめしたいのが、副業・兼業漫画家としての活動です。大変なことに変わりはありませんが、本業で安定した収入を得ながら漫画家デビューを目指せるので、チャレンジする価値は大いにあるでしょう。

実際に何を始めればよいのか、本記事では副業・兼業漫画家のメリット・デメリットやデビューするための方法などについても解説します。

副業・兼業漫画家のメリット・デメリット

まずは、副業・兼業漫画家として活動するメリット・デメリットを確認していきましょう。

メリット

副業・兼業漫画家のメリットとしては、主に次の3つが挙げられます。

・収入が増える可能性がある
・売れなくても生活やメンタルが乱れにくい
・本業で得た知識を漫画に活かせる

1つずつ解説していきます。

収入が増える可能性がある

漫画で稼ぐことができれば、本業にプラスして収入が得られるので、人気次第では年収を増やせる可能性があります。生活に余裕があれば、副業・兼業で得た収入を貯蓄しておき、将来的に本業漫画家を目指すこともできるでしょう。

売れなくても生活やメンタルが乱れにくい

たとえ漫画が売れなかったとしても、本業があれば安定した収入を確保できます。「仕事を失うかもしれない」「収入が途絶えるかもしれない」といったストレスがなくなるため、精神的に安定した状態で漫画を描き続けることができるでしょう。

本業で得た知識を漫画に活かせる

本業で漫画家以外の職業を経験することにより、そこで得た知識やアイディアを作品に活かすことができます。仕事中に起きたエピソードを漫画化することもできるので、日頃からアンテナを張ることで作品の幅を広げられるかもしれません。

デメリット

続いて、副業・兼業漫画家のデメリットや注意点を3つ紹介します。

・漫画制作にかける時間が足りない
・希望通りの収入を得られない可能性が高い
・会社や周囲にバレる可能性がある

マイナスの面も把握したうえで、どのような働き方や立場で漫画家を目指すべきかを考えてみましょう。

漫画制作にかける時間が足りない

副業・兼業漫画家は基本的に本業を優先する必要があるため、十分な執筆時間を確保できない可能性があります。クオリティの高い作品を世に出すためにはそれなりの時間をかける必要があるため、睡眠時間を削るなどして生活を犠牲にしなければならない場面も出てくるでしょう。

希望通りの収入を得られない可能性が高い

漫画で収入を得るためには、同じように漫画家デビューを目指すライバルたちと競い合い、狭き門を通過する必要があります。どれだけ時間をかけて制作しても、それが仕事に直結するわけではないので、収入を得られる可能性が低いことをあらかじめ覚悟したうえで始めるようにしましょう。

会社や周囲にバレる可能性がある

本業として勤めている企業の社則に副業禁止の文言がある場合、作品を発表し続けることで社則違反となってしまうおそれがあります。何も調べずに始めてしまうと大きなトラブルに発展してしまう危険性があるため、副業・兼業漫画家を目指すのであれば、まずは禁止の有無を確認しておきましょう。

副業・兼業で漫画家デビューする方法

では、実際に副業・兼業漫画家としてデビューするためには、どのような方法を取ればよいのでしょうか。

代表的なものとしては、次の5つが挙げられます。

・漫画賞やコンテストに応募する
・出版社などに作品を持ち込む
・Webで作品を発表する
・クラウドソーシングサービスを利用する
・同人誌を制作・販売する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

漫画賞やコンテストに応募する

雑誌などで開催されている漫画賞やコンテストへの応募は、漫画家として活動を始めたり、新たな仕事を獲得したりする方法としては王道中の王道です。審査員や編集者の目に留まれば、一気に連載まで持っていける可能性が出てきます。入賞することで賞金も出るため、半年や1年に1度など、定期的に応募し続けてみるとよいでしょう。

出版社などに作品を持ち込む

コンテストとは別に、出版社などへ作品を直接持ち込むことで掲載につなげられる可能性もあります。現場の編集者から率直な意見やアドバイスを聞くことができるので、改善や成長にも役立つでしょう。

また、コミックエッセイや専門知識を紹介する漫画などは、雑誌の連載を経ずに書籍化されることも少なくありません。需要が高く、読んだ人のためになるコンテンツを作成できれば、書籍として出版することを目的に漫画を描き続けることも不可能ではないでしょう。

変わり種としては、企業に対して「このような漫画で御社の商品をアピールしてみませんか」と、企画として持ち込むこともできます。採用される可能性は低いものの、あえてライバルの少なそうなところを攻めるという意味ではチャレンジする価値があるのではないでしょうか。

Webで作品を発表する

近年では、Web上で漫画家デビューする人も少なくありません。Web漫画は紙媒体よりもハードルが低いケースが多いため、副業・兼業の漫画家としてはチャレンジしやすい領域ともいえるでしょう。

また、YouTubeなどの動画サイトで漫画を発表するのも1つの手です。出版社に認められなくても自由に作品を制作・発表できるので、思い立ったらすぐに挑戦できます。漫画のみでも発表できますが、声優などと協力しながら制作することで、より多くの視聴者を獲得できるかもしれません。

クラウドソーシングサービスを利用する

漫画作品を求めている個人や企業と、漫画家とをつないでくれるクラウドソーシングサービスの利用も有効です。漫画を描いて欲しいと考えている人や企業は常に存在しています。そのため、有名どころのクラウドソーシングサービスへと登録し、漫画関連の募集や案件がないか毎日チェックしておくとよいでしょう。最初は単価が安くても応募して実績を作っておくと、次第に大きな仕事を獲得できるようになるかもしれません。

同人誌を制作・販売する

漫画を描いている人たちと協力して雑誌や冊子を発行したり、個人誌として制作・販売したりするのも1つの手です。実際に本業を持ちながら、積極的にイベントなどに参加しつつ自分の作品を発表している人も少なくありません。

漫画家の収入について

漫画家の収入は、主に「原稿料」と「印税」の2つで成り立っています。

まず、原稿料は「ページ単価×ページ数」で計算されるのが基本です。単価相場は出版社や媒体、その漫画家の経験や人気などによって異なりますが、新人の場合は4000~7000円前後が目安といわれています。次に印税ですが、こちらは単行本や書籍として発行された場合に発生します。コミックの場合は、発行部数の8〜10%程度を印税として受け取れるケースが多いです。

そのほか、漫画の新人賞などで入選できれば、賞に応じて賞金がもらえます。また、企業から商品紹介などの依頼を受けることができれば、単発で数万円から数十万円の報酬を得ることも可能です。ちなみに、同人誌などは売れた分が、動画サイトでは広告収入が、そのまま売上となります。いずれの方法も実力によって得られる収入が異なるため、それなりの利益を求めるのであれば、長期にわたってコツコツと活動を続ける必要があるでしょう。

副業・兼業でも漫画家になって収入を増やすことができる

漫画家はとても大変な職業です。しかし、本業があるからといってできない仕事ではありません。最初は趣味程度で始めたことであっても、多くの人に認知されることで漫画家としての活動が広がり、最終的に漫画一本で食べていくことも不可能ではないのです。自分の可能性を試し、人生をさらに豊かにするためにも、まずは副業としてスタートしてみてはいかがでしょうか。